アンケート作成をテンプレート化する方法
テンプレートを作っておくと、その後のアンケート作成が楽になります。この記事ではアンケートのテンプレートを作る方法を解説しています。アンケートをビジネス戦略立案に生かしたいと考えている企業の担当者の方は、ぜひ読んでみてください。
アンケート冒頭文のテンプレート
Webサイトやメール、紙、どんな形でアンケートを行うにしても、テンプレートを用意しておくとアンケートをスムーズに作成できます。まずはアンケート冒頭にくる「アンケートを依頼する文章」のテンプレートを作りましょう。アンケート冒頭の文章には以下のような内容を含めます。
アンケートの目的と感謝
アンケート冒頭の文章には、アンケートの目的を必ず含めます。何のためのアンケートなのか簡潔に書きましょう。アンケートに回答してくれることへの感謝の気持ちを伝えることも忘れてはいけません。
アンケートの回答にかかるおおよその時間
アンケートの回答にかかるおおよその時間も、アンケート冒頭の文章に含めます。アンケートに回答するのにどれぐらいの時間がかかるのかわかれば、回答者は回答しやすくなります。たとえば、「所要時間は約5分です」と書かれていれば、回答者は「あと10分しか休み時間がないけど5分なら答えられるな」と判断できます。ある程度、長いアンケートの場合でも、所要時間が明記されていると、やはり回答者は「ちょっと長いけど帰りの電車の中でならできるな」などと考えられます。
このように、アンケート冒頭に、回答にかかるおおよその時間を明記すると、回答率の向上につなげることが可能です。
アンケートの回答期限
アンケート冒頭の文章には、アンケートの回答期限も明記しておきます。「○月△日まで」など、回答者がはっきりわかる形で回答期限を記しておくと、回答者が回答しやすくなります。アンケートは、ただでさえ二の次にされやすいので、回答期限を明記しておくと回答者に「今、アンケートに答えよう」と思ってもらいやすくなります。すぐにアンケートに答えられるよう、WebサイトやEメールの場合は、アンケートへのリンクを設置することも重要です。
アンケート冒頭文の例文
日頃から私たち○○社の製品を愛用していただきましてありがとうございます。
このたび、製品開発の参考にさせていただくために、このアンケートを実施させていただくこととなりました。
お忙しいところ、恐れ入りますが、以下のリンクよりアンケートにお答えいただければと思います。
何卒、よろしくお願いいたします。
アンケートの回答期限:2022年2月22日(水)
※いただいた回答は、統計的なデータとして用いるものとします。個人が特定される情報として公開されることはありません。
「アンケートはこちら」(リンク)
よく行われるアンケートの種類
アンケートの目的や対象が異なれば、質問内容も異なります。ここからはよく行われるアンケートについて、その内容や質問のサンプルを紹介します。
顧客アンケート
顧客アンケートは、企業やショップなどが顧客に対して行うアンケートです。顧客アンケートの目的は多岐にわたりますが、多くの場合、商品やサービスへの満足度を確認するためや、ブランドイメージを確認することを目的に行われます。広告の有効性を確認するための広告効果の測定も、顧客アンケートを通して行われることがあります。
・主な顧客アンケート
「企業イメージ調査」「商品アンケート」「サービスアンケート」「ネーミング調査」「コンセプト調査」「広告効果測定」など
・質問サンプル
「○△商店に来店していただいたきっかけ」
(Web広告・テレビCM・新聞広告・その他[ ])
「○△商店への来店回数」
(初めて・2回・3回・4回以上)
「○△商店への来店頻度」
(毎日・週3~4回程度・週1回程度・月2から3回程度・それ以下)
「○△商店にどなたと来ましたか?」
(家族・恋人・友人・ビジネス関係者・その他[ ])
「○△商店への来店理由」
(食事・買い物・その他[ ])
「○△商店を今後も利用したいと思いますか?」
(ぜひ利用したい・やや利用したい・どちらでもない・やや利用したくない・利用したくない)
「○△商店への要望がございましたら、こちらへご記入ください」
(フリーアンサー)
社内アンケート
社内アンケートは、企業が社員に対して行うアンケートです。オフィスにおける満足度や社員を評価するなどの目的で行われます。
従業員満足度調査は、オフィスにおける従業員の満足度を確認するために行われます。アンケートなら、本人に直接はたずねにくいことでもたずねられます。
360度評価は、人物を評価する目的で行われる調査です。回答者は、上司や同僚、部下などの対象者を評価します。これを360度、全方向から行うため、この呼称がつけられています。
ストレスチェックは、従業員のストレスを把握するために行われるアンケートです。
・主な社内アンケート
「従業員満足度調査」「360度評価」「ストレスチェック」
・質問サンプル
「年齢」
(フリーアンサー)
「担当部署」
(営業・サポート・管理・その他[ ])
「現在の職場にどの程度満足していますか?」
(非常に満足・満足・普通・やや不満・非常に不満)
「上記の答えの理由を教えてください」
(フリーアンサー)
「あなたが考えている将来のキャリアを、現在の職場で実現可能ですか?」
(実現可能・わからない・実現不可能)
会場アンケート
会場アンケートはイベントなどの会場で行われるアンケートです。展示会の来場者を対象とした展示会アンケートや、会社説明会の来場者を対象とした会社説明会アンケートなど、来場者を対象としてアンケートが行われます。
会場アンケートは来場者の傾向を把握するために行われることが多く、居住地域や開催情報の取得先などがよく問われます。アンケートで得られたデータは、今後のイベント開催に生かすことが可能です。
・質問サンプル
「このイベントをどこで知りましたか?」
(イベントのホームページ・Web広告・新聞広告・その他[ ])
「このイベントへの満足度を教えてください」
(非常に満足・満足・普通・不満・非常に不満)
「このように回答した理由を教えてください」
(フリーアンサー)
「次回もこのイベントに参加したいと思いますか?」
(ぜひ参加したい・参加したい・どちらとも思わない・参加したくない・絶対に参加したくない)
アンケートの質問を作成するときに考慮すべきこと
アンケートは、目的があってはじめて役に立ちます。目的を考えずしてアンケートの質問を考えることはできません。そのため、まずはアンケートをとる目的をはっきりさせる必要があります。ここからはアンケートの質問を作成するときに考慮すべきことを紹介します。
アンケートをとる目的を明確にする
アンケートをとる目的がはっきりしていないと、何のための質問なのかわからない質問が混ざってしまい、不要なデータを集めることにつながってしまいます。回答者も不自然な質問が混じっていると不審に思い、回答をやめてしまうかもしれません。
必要なデータを集めるための質問が抜けてしまうことも考えられます。たとえば、年齢別の傾向が知りたいのに、その年齢をたずねる問いがなければアンケートを実施する意味がありません。これは大げさにしても、このようなことがあり得るため、やはりアンケートをとる目的を明確にしておくことは非常に重要です。
アンケートの実施方法
アンケートの対象者により、アンケートの実施方法を変えることはとても重要です。一般的なのはWebサイト経由のアンケートです。今は多くの人がスマートフォンを使っているので、スマートフォンへの対応は必須だといえます。
ビジネス関係のアンケートであれば、メールフォームを利用したアンケートがおすすめです。
高齢者を対象とする場合は注意が必要です。高齢者の中にはスマートフォンやパソコンを持たない人もいるので、アンケート用紙を用意する必要があります。
高齢者を対象とする場合は、対面式や郵送式など、実施方法や場所についても検討しなければなりません。
なるべく選択式に
アンケートの質問は、回答者の負担を考え、なるべく答えやすいように選択式にしましょう。フリーアンサーの問いは極力控え、答えてもらうことを優先します。
質問はシンプルに
質問はシンプルにすることが重要です。回答者にとって理解しにくい質問があると、回答をやめてしまったり、当たり障りのない「どちらでもない」などの回答が増えてしまったりします。
あいまいな言葉は使わない
質問の中にあいまいな言葉や、人によって理解が異なる言葉を使わないようにしましょう。たとえば、「近年」という言葉は、人によって受け取り方が異なります。ある人は「1年ぐらい」と考えますが、またある人は「5年ぐらい」と考えるかもしれません。そのため、「5年以内」など、回答者にはっきりわかるような言葉を選ぶことが重要です。
難しい言葉は使わない
業界のみで通用する専門用語や言い回しを、無意識のうちにアンケートの質問に使ってしまうことがあるので注意しましょう。もちろん、業界のことを理解している対象者という前提がある場合はその限りではありません。
質問の流れを考える
アンケートの対象者が答えやすいように質問を構成します。質問の流れがおかしいと、回答者にとって答えづらいアンケートになってしまうため注意が必要です。必ずしも時系列でなくてもいいのですが、質問を時系列に配置するとスムーズな流れになります。
まとめ
アンケートの文章をテンプレートにしておく方法や、質問のサンプル、アンケートを作成する際に考慮すべきことなどを紹介してきました。アンケートは、正しく使えばビジネスを発展させる頼もしいツールになります。あなたのビジネスでも、ぜひアンケートを生かしてみてください。